B型事業所に通っている人の中には「なんかおかしい」「このままで大丈夫かな」と感じている人もいるでしょう。職員の対応が悪かったり、作業内容が単調すぎたり、利用者同士の人間関係で悩んでいたりするケースは珍しくありません。それに加えて「工賃が低すぎる」「施設の雰囲気が合わない」などの理由でモヤモヤする人もいるはずです。
実際にB型事業所は全国に約14,000か所ありますが、施設ごとに特徴や運営方針が違います。良い環境で働ける事業所もあれば、職員の対応が適当だったり、支援が手薄だったりする事業所も存在します。そんな環境に悩んでいる人に向けて、この記事ではB型事業所のトラブルや問題点、対処法を詳しく解説します。
「辞めたい」「通うのがつらい」と感じるなら、無理に我慢する必要はありません。施設を変えたり、就労移行支援やA型事業所への切り替えを検討したりするのも選択肢です。少しでも良い環境で働けるように、自分に合った施設の見つけ方やトラブルの解決策を知っておきましょう。
B型事業所でよくあるトラブルとは?
B型事業所に通っている人が「おかしい」と感じる原因は、大きく分けると 職員とのトラブル・利用者同士のトラブル・運営方針の問題 の3つがあります。それぞれの具体的なケースを見ていきましょう。
職員と利用者の間での問題
B型事業所の職員は、障害者支援の専門知識を持っている人もいれば、ただのアルバイトや経験の浅い支援員もいます。そのため、施設によって職員の対応にはバラつきがあります。よくある問題は以下のようなものです。
- 職員の態度が冷たい、きつい
「仕事が遅い」「そんなの普通できるでしょ?」といった心ない言葉を投げかける職員もいます。障害の特性を理解していない人だと、利用者に対して配慮が足りないこともあります。 - 支援が適当で、相談しても解決しない
何か困ったことがあっても「そんなもんだよ」と流される、相談しても「我慢してね」と言われるケースもあります。支援の質が低い施設では、問題を放置されがちです。 - 利用者によって態度を変える
「気に入っている利用者には優しく、そうでない人には冷たい」なんて職員もいます。こうした対応の差がストレスの原因になることもあります。
利用者同士のトラブル
B型事業所にはさまざまな障害を持つ人が通っています。そのため、意思疎通が難しかったり、感情のコントロールがうまくできなかったりする人もいます。そんな中で起こるトラブルには、次のようなものがあります。
- 陰口や悪口を言われる
小さなミスを指摘されたり、「あの人、使えない」と言われたりすることもあります。特に仲の良いグループができると、派閥のようになってしまい、新しく入った人が馴染みにくい環境になることがあります。 - 作業の進め方で揉める
「このやり方じゃないとダメ!」とルールを押し付けられることもあります。逆に、適当な作業をする人がいて「もっとちゃんとやってよ」と不満が募ることもあります。 - 恋愛や金銭トラブル
B型事業所で出会った人同士が付き合ったり、片思いのもつれからトラブルになることもあります。また、金銭の貸し借りをしてしまい、返ってこない問題も起こりやすいです。
トラブルへの対処法
トラブルに巻き込まれたとき、どのように対処すればよいのでしょうか? まずは冷静に状況を整理し、自分で解決できるかどうかを判断する ことが大切です。
職員とのトラブルを解決する方法
- まずは他の職員に相談する
施設の管理者やサービス管理責任者(サビ管)に直接話をしてみましょう。場合によっては、担当の職員を変えてもらうことも可能です。 - 外部の相談機関を利用する
施設内で解決が難しい場合は、自治体の 障害福祉課 や 運営適正化委員会 に相談するとよいでしょう。対応が悪い施設には、行政から指導が入ることもあります。 - 思い切って施設を変える
どうしても環境が合わないなら、無理をせず別のB型事業所を探すのも一つの方法です。見学をして、自分に合った施設を探してみるのがよいでしょう。
利用者同士のトラブルへの対応
- 職員に相談する
利用者同士の問題は、自分で解決しようとすると余計にこじれることがあります。第三者である職員に間に入ってもらい、話し合いの場を作ってもらうのが効果的です。 - 距離をとる
無理に関わるとストレスが増えるだけです。関係がこじれそうな相手とは、できるだけ接触を減らし、作業に集中するのがベストです。 - 施設のルールを確認する
B型事業所には、トラブル防止のためのルールがあることもあります。「連絡先交換の禁止」や「金銭の貸し借り禁止」などが決まっている場合、それを理由にトラブルを避けることもできます。
✔ B型事業所で「おかしい」と感じる原因は、職員の対応や利用者同士のトラブルが多い
✔ 職員とのトラブルは、管理者や外部機関に相談することで解決できる可能性がある
✔ 利用者同士のトラブルは、職員に相談したり、距離をとったりすることで回避できる
✔ どうしても環境が合わない場合は、無理をせず施設を変えるのも選択肢の一つ
B型事業所は、施設によって雰囲気や方針が大きく違います。「ここで頑張ろう」と思える環境なら続けてもよいですが、ストレスが多いなら別の施設を探すのもアリです。無理せず、自分に合った働き方を見つけていきましょう。
B型事業所の職員と利用者のトラブルへの対処法
B型事業所では、職員の対応や利用者同士の人間関係で悩むこともあります。職員が適切なサポートをしてくれない、利用者同士のトラブルが頻発するなどの問題があると、通うのが嫌になってしまうでしょう。そんなときにどのように対応すればよいのか、具体的な対処法を解説します。
問題がある職員にどう対応するか?
B型事業所の職員は、本来なら利用者をサポートする立場ですが、中には態度が悪い、支援が適当、利用者を見下すような対応をする人もいます。もし職員に問題があると感じたら、次の方法で対処しましょう。
まずは施設の管理者やサビ管(サービス管理責任者)に相談
問題がある職員がいても、まずは施設の管理者や サビ管(サービス管理責任者) に相談するのが先決です。サビ管は事業所全体を管理する立場にあるので、状況を改善してくれる可能性があります。例えば、「担当職員を変える」「職員全体の対応を見直す」といった対応が期待できるでしょう。
相談するときのポイント
- どの職員が、どんな対応をしたのか具体的に説明する
- いつ・どこで・どのような対応をされたのかを整理する
- 自分がどう感じたか、どんな対応を求めているのかを伝える
施設の管理者やサビ管が適切に対処してくれるなら、そのまま様子を見るのもよいでしょう。しかし、もし 「そのくらいで気にしすぎ」などと流される場合は、次のステップに進む ことを考えましょう。
第三者機関(市役所、運営適正化委員会)に報告する方法
施設内での解決が難しい場合、外部の機関に相談するのも一つの方法です。特に、 障害福祉サービスを適切に運営しているかどうかをチェックする機関 に報告することで、施設への指導や改善を促すことができます。
相談できる第三者機関
- 市役所の障害福祉課
→ 施設に対して行政指導を行うことができる - 運営適正化委員会(各都道府県の社会福祉協議会)
→ 法律の専門家や福祉の専門家が第三者として介入してくれる - 障害者虐待防止センター
→ 職員の対応がパワハラやいじめに該当する場合に相談可能
特に 運営適正化委員会 は「事業所と利用者の間に入って問題を解決する」機能を持っているので、対応が期待できます。証拠(録音やメモなど)があると、話がスムーズに進むこともあります。
施設の変更を検討する際のポイント
「何度相談しても改善されない」「職員の対応が変わらない」など、どうしても解決しない場合は 施設を変えることも視野に入れる のがよいでしょう。B型事業所は全国に約14,000か所もあるため、自分に合った施設を探すことは可能です。
施設を選ぶときのポイント
- 他の事業所を見学する(雰囲気や職員の対応をチェック)
- 作業内容が自分に合っているかを確認する
- 工賃や通所条件を比較する
- 口コミや評判を調べる(利用者の声を参考にする)
新しい事業所を見つける際には ハローワークや市役所の福祉課に相談 するのもおすすめです。
利用者間のトラブルを避けるには?
B型事業所では、利用者同士の人間関係が原因でトラブルになることもあります。例えば、「陰口を言われた」「作業の進め方で揉めた」「お金の貸し借りでトラブルになった」など、人によってストレスの感じ方も違います。無理に仲良くしようとせず、適度な距離を保つことが大切です。
職員に相談し、対応を求める
利用者同士のトラブルは、 自分で解決しようとせず、まず職員に相談する のが基本です。職員は利用者の状況を把握し、問題が起きないように調整する役割を持っています。
相談するときのコツ
- トラブルの内容を簡潔に伝える(何が原因で困っているのか)
- 相手の名前を出すかは職員と相談(名前を出すことで逆に問題が悪化する可能性も)
- 今後の対応をお願いする(席を変えてもらう、作業グループを変えてもらうなど)
職員が対応してくれる場合は、様子を見ながら通所を続けるのもよいでしょう。しかし、もし 「そんなの気にしすぎ」「あなたが悪いのでは?」と流されるなら、その施設の支援体制が不十分 かもしれません。
トラブルを未然に防ぐための距離感の取り方
B型事業所の利用者は、障害の特性によってコミュニケーションが難しい場合もあります。トラブルを避けるためには、 適度な距離感を保つ ことが重要です。
距離感を保つコツ
- 深い関係になりすぎない(プライベートな話題は控えめに)
- 金銭の貸し借りは絶対にしない
- トラブルを起こしやすい人とは距離を置く
- 作業に集中する環境を作る(できるだけ個別作業を選ぶ)
特に 「お金の貸し借り」はトラブルの元 になりやすいため、どんなに仲の良い利用者でも避けるべきです。
どうしても無理なら、事業所を変える選択肢も
「相談しても対応してもらえない」「人間関係のストレスが強すぎる」と感じる場合は、思い切って事業所を変えることも考えましょう。
事業所を変える際の流れ
- 今の事業所の退所手続きを進める(サビ管に退所の意思を伝える)
- 新しい事業所を見学し、雰囲気を確認する
- ハローワークや市役所で新しい事業所を紹介してもらう
- 新しい事業所の利用契約を結ぶ
無理に今の環境にしがみつくよりも、 自分に合った事業所でリスタートする方がストレスが少なくなる こともあります。
まとめ
✔ 職員とのトラブルは、まずサビ管や管理者に相談するのが基本
✔ 改善されない場合は、市役所や運営適正化委員会に相談するのも方法の一つ
✔ 利用者同士のトラブルは、職員に相談し、適度な距離を保つことが大切
✔ どうしても環境が合わない場合は、他の事業所への移動を検討するのが現実的な解決策
B型事業所は数多く存在し、施設ごとに雰囲気や支援の質が異なります。無理に合わない環境で続けるよりも、自分に合った場所を見つけて快適に通えるようにしましょう。
B型事業所を「おかしい」と感じる原因
B型事業所に通い始めて、「思っていたのと違う」「この施設はおかしいのでは?」と感じる人もいるでしょう。B型事業所の雰囲気や支援内容は施設によって異なるため、合わないと感じるケースは少なくありません。ここでは、B型事業所を「おかしい」と思う原因と、その対処法について解説します。
訓練が意味がないと感じる場合
B型事業所では「働きながら訓練を受ける」と言われていますが、実際には「単純作業ばかりでスキルが身につかない」「職員の支援がない」と感じることもあります。
作業内容が単調でやりがいを感じられない
B型事業所の仕事は、施設ごとに異なりますが、一般的には シール貼り、袋詰め、検品作業、農作業、清掃、軽作業 などが多いです。これらの作業にやりがいを感じるかどうかは人それぞれですが、同じことの繰り返しに退屈してしまうこともあります。
もし 「もっとやりがいのある仕事をしたい」 と思うなら、次の方法を試してみましょう。
解決策
- 作業の変更を相談する(IT系や創作活動ができるB型もある)
- スキルアップできる作業所を探す(プログラミング、動画編集、デザインなどを学べる施設もある)
- 就労移行支援の利用を考える(一般就労を目指すなら選択肢に)
職員の支援がなく、ただの労働になっている
本来、B型事業所は「福祉的就労」を目的としているため、単なる労働の場ではありません。しかし、職員の支援が少なく、利用者が放置されているような事業所もあります。
こんな事業所は要注意
- 「仕事だけやってればいい」という雰囲気
- 作業の意味や目的を説明してくれない
- 職員が利用者の相談に乗らない
このような場合、職員に「支援の時間を増やしてほしい」と相談するのも方法の一つです。ただ、改善が見られない場合は、他の事業所を探すのも良いでしょう。
工賃が安すぎる問題
B型事業所の工賃は最低賃金以下がほとんどです。「こんなに働いているのに、時給換算すると200円程度しかもらえない」と感じる人も多いでしょう。
B型事業所の工賃の現実
厚生労働省のデータによると、全国のB型事業所の 平均工賃は月額16,507円(2021年度) です。1日4時間×週5日通所しても、月2万円に届かない施設も珍しくありません。
工賃が低い理由は以下の通りです。
- B型事業所は雇用契約を結ばないため、最低賃金の適用がない
- 施設の売上が利用者の工賃に反映されるため、利益が少ないと工賃も低くなる
- 助成金で運営しているため、工賃が上がりにくい
収益が少ない施設は工賃が低くなりがち
B型事業所の工賃は 「作業の生産性」と「事業所の売上」によって決まる ため、利益が出にくい施設では工賃が低くなります。
例えば、
- 「手作業の内職系」 → 利益が少なく工賃が低い
- 「IT・クリエイティブ系」 → 売上が出やすく、工賃が高め
高工賃の施設は 利用者が売上に貢献できる仕事をしている ことが多いです。
工賃が高めの事業所を探す方法
「どうせ通うなら、できるだけ工賃が高いところがいい」と思うなら、以下のポイントをチェックしましょう。
工賃が高い施設の特徴
- 平均工賃が3万円以上(全国平均より高い)
- ITやデザイン、ネット販売など利益率が高い仕事をしている
- 自治体からの支援が手厚い施設
見つけ方
- 市役所の障害福祉課に相談(高工賃の施設を教えてもらえる)
- ネットの口コミをチェック(実際に通っている人の情報は貴重)
- 見学して作業内容を確認(実際の業務を見れば収益性もわかる)
「助成金目当て」の運営が疑われる施設
B型事業所の運営には、国や自治体からの助成金が使われています。しかし、中には 「利用者の利益よりも助成金を目的とした経営をしている」 事業所もあるのが現実です。
利用者の利益より助成金を目的とした経営の実態
助成金目当ての事業所の特徴
- 利用者が増えるほど助成金が入るため、通所を強制する
- 工賃は極端に低いのに、運営側が豪華なオフィスを構えている
- 支援がほとんどなく、ただ通わせるだけの施設
こうした事業所では、利用者に十分なサポートを提供しないため、 「ただの金儲け施設」として運営されている こともあります。
通所を強制する、サポートが手薄な事業所の見分け方
「助成金目当ての施設」は、利用者の希望よりも 「とにかく通わせる」 ことを優先しがちです。
怪しい施設の特徴
- 無理に通所させようとする(休みづらい雰囲気)
- 職員が利用者の話を聞かず、支援がない
- 仕事内容がただの単純作業で、成長できる環境がない
もし「この施設はおかしい」と感じたら、すぐに辞める決断をしても構いません。
信頼できる施設の特徴とは?
では、 安心して通えるB型事業所 を選ぶには、どんなポイントを押さえればよいのでしょうか?
信頼できるB型事業所の特徴
- 利用者が自由に意見を言える雰囲気がある
- 作業内容にやりがいがあり、成長できる環境が整っている
- 工賃が相場以上で、収益の仕組みがしっかりしている
- 職員が利用者に寄り添い、支援が充実している
- 休みやすい環境があり、無理なく通える
見学時のチェックポイント
- 職員の対応が親切か?
- 作業内容に魅力を感じるか?
- 利用者がリラックスしているか?
まとめ
✔ B型事業所を「おかしい」と感じる原因は、作業の単調さ、工賃の低さ、支援不足などがある
✔ 工賃が高い施設を探すには、作業内容や自治体の支援をチェックするのが大切
✔ 「助成金目当ての運営」をしている施設は避け、職員の対応や雰囲気をしっかり見極める
✔ B型事業所は全国に多くあるため、納得できる環境を探すのが大事
合わない施設に無理して通うより、自分に合った環境を見つける方が心身の負担は少なくなります。
B型事業所の環境を改善するための行動
B型事業所に通っていると、「職員の対応が悪い」「利用者同士のトラブルが多い」「作業内容が合わない」など、さまざまな問題に直面することがあります。しかし、すぐに施設を辞めるのではなく、まずは 改善できる可能性 を探ることが重要です。ここでは、 施設内でできる対策 から 外部の相談機関の活用方法 まで、環境を改善するための具体的な行動を解説します。
まずは職員に相談してみる
B型事業所での悩みやトラブルは、職員に相談することで解決できる場合もあります。「どうせ何も変わらない」と諦める前に、一度相談してみるのが良いでしょう。
施設内で問題を解決できる可能性を探る
以下のような問題は、事業所内で解決できる可能性が高いです。
- 作業内容が合わない → 仕事内容の変更が可能か相談
- 人間関係のトラブル → 職員に間に入ってもらう
- 工賃が低すぎる → 工賃アップの可能性を確認
- 休みづらい雰囲気 → 有給や欠勤のルールを確認
もし「これくらいなら改善されそう」と感じるなら、職員に直接相談するのが最もスムーズな方法です。
具体的な相談の仕方と伝えるべきポイント
相談する際は、 感情的にならず、具体的に伝える ことが大切です。
例)職員に相談する場合の伝え方
✗「この施設、もう嫌です。辞めたいです!」
✓「作業が自分に合っていないと感じます。もう少し違う仕事ができる可能性はありますか?」
✗「〇〇さんがムカつく!もう無理!」
✓「〇〇さんとトラブルがありました。どう対応すればよいかアドバイスをいただけますか?」
「何が問題なのか」「どうして困っているのか」「どう改善してほしいか」を明確に伝えると、職員も対応しやすくなります。
外部の相談機関を活用する
「職員に相談しても対応してくれなかった」「事業所自体に問題がある」と感じる場合は、 外部の機関に相談 するのも有効です。
市町村の障害福祉課、障害者権利擁護センターの利用方法
B型事業所の運営は、市町村の 障害福祉課 が監督しています。もし 「事業所の対応が悪い」「明らかにおかしいルールがある」 などの問題があれば、市町村の担当窓口に相談しましょう。
相談先と内容
- 市町村の障害福祉課 → 事業所の運営状況について相談可能
- 障害者権利擁護センター → 利用者の権利侵害(パワハラ・無理な通所強制など)を相談可能
具体的には、「施設の対応が悪い」「不適切な運営をしている」 などの相談を受け付けており、必要に応じて行政指導を行うこともあります。
第三者機関に苦情を伝える具体的な手順
行政機関や外部相談窓口に苦情を伝える手順は以下の通りです。
- 問題点を整理する(いつ、どこで、何があったかをメモ)
- 事業所に相談したが解決しなかった場合、その経緯も記録
- 市町村の障害福祉課や障害者権利擁護センターに連絡
- 窓口の担当者と面談または電話相談
- 必要に応じて、運営適正化委員会や障害者虐待防止センターへ報告
これらの機関に相談すると、事業所に対する監査や指導が入ることもあります。 施設内の環境が改善されるきっかけになるかもしれません。
施設を変える前に試すべき対応
「今のB型事業所が合わない」と感じたとしても、すぐに辞める必要はありません。まずは 以下の対応を試してみるのが良いでしょう。
① 作業内容の変更を相談する
「単純作業がつまらない」「やりがいがない」と感じるなら、 違う作業を試せるか聞いてみる のも一つの方法です。IT系やクリエイティブな仕事を取り入れている施設もあるので、作業の選択肢を増やせるかもしれません。
② 休み方の調整を相談する
「体調が悪くても休みにくい」「無理して通所している」と感じる場合は、職員に相談して、 週の通所回数を減らす・時間を短縮する ことができるか聞いてみましょう。B型事業所は 「柔軟な働き方ができる福祉サービス」 なので、無理なく通う工夫を考えることも大切です。
③ 他のB型事業所と比較してみる
「今の施設は合わない」と感じるなら、他のB型事業所を見学する のも良い方法です。B型事業所は全国に14,000以上あり、雰囲気や運営方針は施設ごとに異なります。
見学時に確認すべきポイント
- 職員の対応が親切か?
- 作業内容が自分に合っているか?
- 利用者が落ち着いて過ごしているか?
もし他の施設のほうが良さそうなら、 転所(施設の変更)を検討 しても良いでしょう。
まとめ
✔ まずは 職員に相談し、施設内で解決できるか確認 する
✔ 相談する際は 具体的な問題点を整理し、冷静に伝える
✔ 外部の相談機関(市町村の障害福祉課・障害者権利擁護センター) を活用する
✔ 施設を変える前に 作業内容や勤務時間の調整を試してみる
✔ 他のB型事業所を見学し、今より良い環境がないか探す
B型事業所の環境は 施設ごとに大きく異なる ため、合わないと感じたら無理せず 改善策を試しつつ、別の選択肢も考える のが大切です。自分に合った環境で、無理なく働ける道を見つけましょう。
B型事業所が合わないと感じたら?
B型事業所に通っているものの「作業が合わない」「工賃が低すぎる」「環境が合わずストレスが多い」などの理由で悩んでいる人もいるでしょう。しかし、B型事業所だけが選択肢ではありません。環境を変えることで、より自分に合った働き方が見つかることもあります。
ここでは、他のB型事業所への移行、A型事業所への変更、就労移行支援の活用 など、状況に応じた選択肢について詳しく解説します。
他のB型事業所への移行
B型事業所は全国に約14,000カ所あり、施設ごとに運営方針や仕事内容、環境が大きく異なります。 「B型事業所が合わない」というよりも、「今の施設が自分に合っていないだけ」 というケースも多いです。
全国に約14,000のB型事業所があり、比較することが大切
B型事業所には、以下のようにさまざまな特徴があります。
- 工賃が高い施設 → 高単価の仕事がある事業所
- IT・クリエイティブ系の作業がある施設 → パソコン作業やデザイン、動画編集、プログラミングなどが学べる
- 農業・製造・カフェ運営など、実践的な仕事ができる施設
B型事業所の中には、月5万円以上の工賃を支払っている施設もあります。「工賃が安すぎる」「作業がつまらない」と感じているなら、他の施設の見学をして比較してみる のが良いでしょう。
高工賃やIT系作業のある施設を探す方法
B型事業所を探す際は、以下の方法を活用すると便利です。
- 市町村の障害福祉課に相談(工賃が高い事業所の情報を教えてもらえることがある)
- 就労支援センターやハローワークに相談
- B型事業所のホームページをチェック(作業内容や工賃を公開している施設もある)
- 見学や体験利用をして雰囲気を確認
「B型事業所=単純作業だけ」ではなく、施設ごとに特色があるので、比較して自分に合った環境を探すことが重要です。
A型事業所への移行を検討する
「B型事業所の工賃では生活が厳しい」「もっと安定した収入が欲しい」という場合は、A型事業所への移行を考えてみるのも選択肢の一つです。
収入を上げたい場合はA型事業所への移行も選択肢
B型事業所は工賃制ですが、A型事業所は雇用契約を結び、最低賃金が保証される ため、収入が安定します。
B型とA型の収入の違い(参考値)
- B型事業所:月1万~3万円(高工賃の施設でも5万~10万円程度)
- A型事業所:月7万~15万円(フルタイム勤務可能な場合は15万円以上もあり)
生活費を自分で賄いたい、経済的に自立したいと考えている人は、A型事業所を目指すのも良いでしょう。
A型事業所のメリットとB型との違い
A型事業所とB型事業所の違いを簡単に整理すると、以下のようになります。
A型事業所 | B型事業所 | |
---|---|---|
雇用契約 | あり(最低賃金保証) | なし(工賃制) |
収入 | 月7万~15万円 | 月1万~3万円(高くても5万~10万円) |
出勤義務 | あり(週3~5日以上) | なし(週1~5日自由) |
仕事内容 | 一般企業に近い仕事もあり | 軽作業中心(施設による) |
B型事業所では自由度が高いですが、その分収入面での安定性がありません。A型事業所では出勤義務がある代わりに、最低賃金が保証される ため、「安定した仕事をしたい人」には向いています。
就労移行支援を活用する
B型事業所やA型事業所は「障害がある人が無理なく働ける環境」ですが、「一般就労を目指したい」「企業で正社員として働きたい」という人には就労移行支援 がおすすめです。
一般就労を目指したい場合は就労移行支援が最適
就労移行支援は、一般企業で働くことを目的とした支援サービス です。履歴書の書き方や面接練習、ビジネスマナーの指導、企業実習など、就職に必要なスキルを身につける ことができます。
B型事業所やA型事業所と違い、「最長2年間」までの利用期間が決められている ため、「期限内に就職を目指す」という目的を持って利用することになります。
就職率が高い施設の選び方と利用方法
就労移行支援事業所は全国に数千カ所ありますが、施設ごとに就職実績が異なります。
就職率が高い施設を選ぶポイントは以下の通りです。
- 過去の就職実績が高い(就職率80%以上が目安)
- 企業実習や職場体験の機会が多い
- 履歴書の書き方や面接練習のサポートが充実している
- 就職後の定着支援が手厚い
利用方法は以下の流れです。
- ハローワークや市町村の福祉課に相談
- 興味のある就労移行支援事業所を見学
- 利用申し込みと手続き
- 職業訓練や企業実習を受けながら、就職を目指す
就職を最優先に考えているなら、B型やA型ではなく、最初から就労移行支援を利用する方が早く就職につながる可能性 があります。
まとめ
✔ B型事業所が合わないと感じたら、他のB型事業所も検討してみる(工賃や仕事内容に違いがある)
✔ 収入を上げたいならA型事業所へ移行するのも選択肢(最低賃金保証、安定収入)
✔ 一般就労を目指すなら就労移行支援が最適(履歴書・面接対策、企業実習あり)
✔ 見学や体験利用を活用し、自分に合った施設を選ぶのが大切
B型事業所に不満を感じたときは、無理に続けるのではなく、より自分に合った環境を探してみることが重要です。 それぞれの選択肢を比較しながら、自分に最適な働き方を見つけましょう。
B型事業所の選び方と見学時のチェックポイント
B型事業所は全国に約14,000カ所あり、施設ごとに環境や仕事内容が大きく異なります。 そのため、自分に合った事業所を選ぶためには、見学や体験利用が重要 です。
「どこも同じ」と思って適当に選んでしまうと、「雰囲気が合わない」「工賃が低すぎる」「職員が冷たい」などの不満が出てしまうこともあります。長く通う場所だからこそ、しっかり見極めることが大切 です。
ここでは、B型事業所を選ぶ際のポイントや、見学時にチェックすべき点 を詳しく解説します。
良い施設を見極めるポイント
B型事業所を選ぶ際は、「雰囲気」や「職員の対応」「仕事内容」「工賃」などを総合的に判断することが大切です。
職員の対応や施設の雰囲気
事業所の雰囲気は、通いやすさや働きやすさに直結します。以下のポイントを確認しましょう。
- 職員の対応は親切か?(利用者に対する言葉遣いや態度)
- 施設内の雰囲気は明るいか?(職員や利用者が活発に話しているか)
- 清掃や整理整頓が行き届いているか?(汚れている・散らかっている施設は注意)
- 利用者が楽しそうに作業しているか?(無理やり働かされているような様子ではないか)
施設の雰囲気が良ければ、ストレスなく通いやすくなります。 逆に「職員が冷たい」「利用者が暗い」「施設が汚い」と感じる場合は、避けたほうが無難です。
利用者の様子を確認する重要性
利用者の雰囲気をチェックすることで、「自分がこの環境でやっていけるか?」を判断しやすくなります。
- 年齢層は合っているか?(若い人が多いか、高齢の方が多いか)
- 利用者同士の会話はあるか?(コミュニケーションが活発か、静かな環境か)
- 職員と利用者の関係性は良好か?(利用者が職員を信頼している様子があるか)
利用者の様子を見ることで、自分に合った雰囲気かどうか を判断しやすくなります。「自分と同じような障害の人がいるか」「馴染めそうな雰囲気か」も確認しておきましょう。
見学時に注目すべきポイント
事業所の見学時には、「仕事内容」「工賃」「待遇」などを細かくチェックすることが大切です。
仕事内容や工賃、待遇の違い
B型事業所の仕事内容は施設ごとに異なります。以下のような仕事が多いですが、どの作業を担当するかで満足度も変わるため、しっかり確認しましょう。
- 軽作業(シール貼り・箱折り・封入作業など)
- パソコン作業(データ入力・動画編集・イラスト制作など)
- 製造・食品加工(パンやお菓子作り・弁当調理など)
- 農業・園芸(野菜の栽培・花の手入れなど)
- カフェ・接客業(障害者支援のカフェなどでの接客)
工賃についても、以下の点をチェックしましょう。
- 平均工賃はいくらか?(全国平均は月約1万5,000円)
- 高工賃の仕事はあるか?(月3万~5万円以上稼げる施設もある)
- 出来高払いか、固定工賃か?(作業量に応じて変動するか)
「工賃が安すぎる」「単調な作業しかない」と感じたら、他の施設を探すのもアリ です。
自分に合う環境かどうかの判断基準
見学後、「この事業所で本当にやっていけるか?」を考えることが大切です。以下のポイントをチェックしましょう。
✔ 仕事内容が苦にならないか?(興味のある作業か)
✔ 職員の対応が良いか?(親身になってくれるか)
✔ 利用者の雰囲気が合っているか?(自分が馴染めそうか)
✔ 工賃や待遇が納得できるものか?(生活に必要な収入が得られるか)
見学を終えたら、少し時間を置いて冷静に考えるのが良いでしょう。「ここなら長く通えそう」と思える施設を選ぶのがポイントです。
まとめ
✔ 職員の対応や施設の雰囲気をチェックし、通いやすい環境か確認する
✔ 仕事内容や工賃を比較し、自分に合った仕事ができる施設を選ぶ
✔ 利用者の雰囲気も見学し、馴染めそうか判断する
✔ 見学後は焦らず冷静に判断し、長く通える施設を選ぶことが大切
B型事業所は施設ごとに大きく違うため、見学をして自分に合った環境を見つけることが重要 です。納得のいく施設を選び、無理なく通える場所を見つけましょう。
B型事業所のリアルな体験談
B型事業所を利用する人の中には、「ここで働いてよかった」と満足している人もいれば、「おかしい」「やばい」と感じて辞めた人もいます。施設ごとの違いが大きいため、実際の体験談を知ることが重要 です。
ここでは、ネガティブな体験談とその対策、ポジティブな体験談と続けてよかった理由 を紹介します。
ネガティブな体験談とその対策
実際に「おかしい」と感じた施設の事例
① 職員の態度が冷たく、支援が手薄だった
「職員が威圧的で、質問しても適当に流される」「困って相談しても『自分で考えて』と言われる」など、支援の質が低い事業所 に当たるケースがあります。
➡ 対策
- 職員が信頼できない場合は、他の職員や施設長に相談する
- 施設変更を視野に入れる(別のB型やA型事業所、就労移行支援を検討)
- 相談支援専門員やハローワークで評判の良い事業所を紹介してもらう
② 仕事内容が単調で、スキルアップできない
「毎日同じ作業ばかりで飽きる」「簡単すぎてやりがいを感じない」という不満もあります。
➡ 対策
- 仕事内容の変更を相談する(PC作業や事務系の仕事があるか確認)
- スキルアップを目指すなら、IT系や高工賃のB型事業所に移る
- 将来的にA型事業所や就労移行支援に進む道も考える
③ 工賃が安すぎてモチベーションが続かない
「時給換算すると200円程度」「月1万円しか稼げない」というケースも少なくありません。
➡ 対策
- 工賃の高い事業所を探す(地域によっては月3~5万円以上も可能)
- 福祉就労の目的を理解し、生活費の補助(障害年金や家賃補助)を活用する
- 一般就労を目指すなら、就労移行支援でスキルアップする道を考える
④ 他の利用者と合わず、人間関係がストレス
「周りの利用者と合わず、居心地が悪い」「いじめや悪口が横行していた」という事例もあります。
➡ 対策
- 職員に相談し、席や仕事内容を変更してもらう
- トラブルが続く場合は、他の事業所への移動も視野に入れる
- 体験利用の段階で、利用者の雰囲気を確認する
ポジティブな体験談も知っておく
B型事業所には悪い面もありますが、「通ってよかった」と感じる人もたくさんいます。 ここでは、実際に良い環境を見つけた人の例 を紹介します。
B型事業所で良い環境を見つけた人の実例
① 職員が親身になってくれて、安心して通えた
「以前のB型事業所では職員の態度が冷たく、辞めたくなった。でも、新しい事業所では、職員が親身になってくれて、仕事の相談もしやすく、安心して通えるようになった。」
➡ ポイント
- 施設ごとの職員の質は違うので、合わないと感じたら別の事業所を探すのが正解
- 親切な職員がいると、働く環境が大きく変わる
② 仕事内容が自分に合っていて、楽しく働けた
「最初は単調な作業ばかりだったけど、PCを使う仕事を任されるようになり、やりがいが出てきた。」
➡ ポイント
- 仕事内容を変更してもらえる可能性があるので、職員に相談するのが大切
- IT系やデザイン系の仕事があるB型事業所もあるので、スキルアップを目指すならそういった施設を探すのもアリ
③ 生活リズムが整い、体調が安定した
「ずっと家に引きこもっていたけど、B型事業所に通うようになって、生活リズムが整い、体調も安定してきた。」
➡ ポイント
- 無理なく通える環境があると、心身の安定につながる
- 「仕事がある」というだけで、自信を持てるようになる
「辞めずに続けてよかった」と思えるケース
① 人間関係が良くなり、仲間ができた
「最初は人見知りで話せなかったけど、少しずつ周りと仲良くなり、今では楽しく通えている。」
➡ ポイント
- 最初は不安でも、時間が経てば馴染めることも多い
- B型事業所の仲間ができると、通うのが楽しくなる
② 一般就労への道が開けた
「最初はB型事業所で働いていたけど、徐々に自信がつき、A型事業所へ移行。その後、一般企業に就職できた!」
➡ ポイント
- B型事業所からA型、一般就労へのステップアップも可能
- 焦らずに、自分のペースで仕事を覚えていくのが大事
まとめ
✔ B型事業所には「おかしい」と感じる施設もあるが、環境次第で大きく違う
✔ 職員や仕事内容が合わない場合は、変更や相談で改善できる可能性がある
✔ 良い環境のB型事業所では、安心して働けるし、スキルアップも可能
✔ 「辞めたい」と感じても、他のB型やA型事業所、就労移行支援など選択肢はある
B型事業所を利用する際は、事前のリサーチと見学が大切です。悪い評判だけでなく、実際に良い体験をしている人の話も知ることで、自分に合った施設選びができます。納得のいく環境を見つけ、無理なく働ける場所を選びましょう。
まとめ
✔ B型事業所のトラブルは施設ごとに違うが、対応策はある
B型事業所に対して「おかしい」と感じる人もいれば、「通ってよかった」と思う人もいます。施設ごとに環境が大きく違うため、合わない場合は適切に対処することが重要 です。
✔ 問題のある職員や利用者がいたら、まずは相談することが大事
トラブルが発生したときは、まずは職員や施設長に相談 しましょう。それでも解決しない場合は、市町村の障害福祉課や運営適正化委員会に相談する方法もある ので、一人で抱え込まないことが大切です。
✔ どうしても合わない場合は、他のB型・A型事業所や就労移行支援への移行を検討
全国には 約14,000のB型事業所 があります。同じB型でも環境が大きく異なるため、違う施設に移るだけで状況が改善することも多い です。また、収入を増やしたい場合はA型事業所、一般就労を目指すなら就労移行支援 という選択肢もあります。
✔ 施設選びは重要で、事前の見学や情報収集を怠らないことが成功のポイント
B型事業所は 見学や体験利用が可能 です。実際に行ってみることで、職員や利用者の雰囲気、仕事内容の適性をチェックできます。ネットの評判や口コミも参考にしつつ、自分に合った事業所を見極めることが大切 です。
B型事業所の環境が合わないと感じたら、「ここしかない」と思い込まず、他の選択肢を考えてみましょう。自分にとってストレスの少ない環境を選び、無理なく働ける場所を見つけることが大切です。